失敗が許されない雰囲気が組織の成長を妨げる

失敗が許されない雰囲気が組織の成長を妨げる

連続で、失敗についての記事です。
記事を書いていくにつれ、失敗に対しての考え方で
人や組織にどのような影響があるのかに興味が湧いて、色々な本を読み漁っていたのですが、
失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織という本がかなり面白かったです。

この本を読んで、
失敗が許されない雰囲気やルールが徹底された組織は成長しないのではないかと、感じました。
今回は、僕なりに感じたことや考えを書いていきたいと思います。

失敗からの学習を妨げる要因

価値のあるものを得るための過程として、失敗はつきもので、
その失敗をどう次に活かすか、という、いわば失敗から学習することが大事なのですが、
人は内的要因と外的要因で、失敗を恐れたり、失敗を認めなかったり、失敗から学習することを止めてしまうようです。

内的要因

内的要因というのは、自分自身の中で学習を妨げてしまうような要因です。
失敗を自分の能力や性格のせいにして、改善を諦めてしまったり、
失敗することが、自分の不完全さを露呈してしまうことと、重く考えすぎて、
失敗を避けたり、認めなかったりという結果を生んでしまいます。
前回の記事に書いたのが、
どちらかというと内的要因についての内容になっていたかと思います。

外的要因

失敗に対して、まわりからの非難や処罰を受けたくない、という
自分自身以外からのプレッシャーが外的要因です。
これは結果として、
失敗そのものを隠したり、他人からのプレッシャーによるストレスを感じたり、
失敗を避けたり、認めなかったりすることになります。

「失敗の科学」に記載されていた内容が、
基本的にこの外的要因に対する研究や調査結果についてでした。
この失敗に対するプレッシャーなどの外的要因で、
学習が妨げられてしまうということが、強く指摘されていました。

失敗に対するプレッシャーは、組織内に強力な負のエネルギーを生み出す

「失敗の科学」のなかにあったエピソードにこんなものがありました。

とある病院に、ミスを徹底的になくすことを目標としている部署があり、
そのリーダーである看護師長は「私たちのチームには失敗を許さないという雰囲気づくりができています。」
「失敗は罪であり、私たちは毎日裁判にかけられているような緊張感を持って取り組んでいます。」と語っていたという。
事実、その部署から報告されるミスの件数は、他の部署と比べて圧倒的に少なかった。
一見すると、チームとしての体制やマネジメントを完璧に築き上げているように見える。
しかし、詳しく調べると、実際にはミスの件数は他の部署より多かったが、
そのミスに対して適切に報告されている件数が少ないということがわかった。

このエピソードは、ある意味当然のような気もしますが、
実際にはよくありそうなことではないでしょうか?
本当にすべきことは、失敗を正しく認識し、適切に対処し、反省をすることのはずですが、
処罰されたり、非難されることを恐れて、正しくない行動をとってしまっているのです。

失敗に対するプレッシャーによって、以下のような負のエネルギーが、
組織内に充満していくでしょう。

  • 他人を監視してしまう
  • 他人の目が気になる
  • 失敗を隠す
  • 挑戦をしない
  • 失敗を恐れて、他人任せになる

組織内で他人の仕事を監視し合ったり、
厳しく罰せられるような環境は、
ストレスになるだけでなく、必要以上のエネルギーが
正しくない方向に向けられてしまうことにもなってしまいます。

失敗が許される雰囲気作り

失敗が許される、というと、何だか甘い考えのように聞こえてしまいますが、
新しいことや難しいこと、リスクのあることに積極的に挑戦しようと思うと、
失敗を恐れてはいけないし、失敗したことをいつまでも気にしていてはいけません。
失敗に対してオープンで正直な文化があれば、組織全体が失敗から学ぶことができるはずです。

間違いが起こると、
人はその経緯ではなく「誰の責任か」を追求することばかり考え始める傾向があるようですが、
それも結局は、根本的な解決にはならないばかりか、挑戦する姿勢を失ってしまいかねません。

組織に属する全員が、「失敗しても気にするな」「次に活かそう」と口にするだけでも、
ポジティブで安心感のある雰囲気ができるのではないでしょうか。

そして、口にするだけでなく、実際に誰もが心からそう考えていて、
行動を起こすことができれば、
エネルギーに溢れていて充実感のある雰囲気ができそうではないでしょうか。

まとめ

失敗を恐れてはいけない、失敗した時は正しく認識して解決し、
次に活かすという考えを、自分の中で持つだけでなく、
他人の失敗に対しても同じ気持ちで考えたいものですね。